東京ラブソングス
(これって音楽ネタなのか、街ネタなのか微妙なんだけど、とりあえず「都市研究」の観点から出たネタなので、こちらのコーナーにいれておきます。)
7/20にカラオケにいったときに「東京」をテーマにみんな選曲したことは書いたが、さて、その後気になったのが、東京のご当地ソングってどれくらいあるんだろう?ということ。確かに「ウナ・セラ・ディ東京」とか「東京ドドンパ娘」(例が古い?)とか東京なんとかというタイトルの歌は多いけれど、その他に東京の細かい地名まで合わせたらすごいんじゃないか。
歌になる地名といえば、例えば「横浜」なんかはヒット曲が多い.「よこはまたそがれ」(五木ひろし)「ブルーライト・ヨコハマ」(いしだあゆみ)の2大名曲に始まり、「追いかけてヨコハマ」(桜田淳子)「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」(ダウンタウン・ブギウギバンド)など色々思い浮かぶ.しかし、多くは「横浜」そのものがタイトルにつくものばかり。他にも「港町十三番地」(美空ひばり)とか「フライデイ・チャイナタウン」(泰葉)(これって神戸のチャイナタウンともとれるよね?)とか港周辺を題材にした横浜ソングはあるのだけど、横浜の場合、題材は中区と西区の一部.駅で言えば横浜駅から根岸線の根岸駅までが限度となる.つまり、ほとんどの歌に出てくる建物も風景も本当に同じようなところで、多彩な歌が作られていることになる.だがいっぽうで、横浜市内のほかの地域は全く歌にはならない。確かに「権太坂ブルース」(横浜市保土ヶ谷区)とか「生麦娘」(横浜市鶴見区)なんて歌はない。いや、作ってくれたら面白いと思うんだけどね.
さて話を東京に戻すと、「横浜」という言葉で山下公園や港の周辺を想像させる横浜と違い、「東京」というとイメージがすごく抽象的である.日本の大都会のひとつの象徴ではあるけど、具体的なものが見えない。東京の中の、細分化された個々の地名が出てきて初めて、具体的なイメージが生まれる。そして、そんな東京の歌データベースを探していたところ、案の定見つかった. Tokyko Maboroshi Towerである。ここまで調べ上げてあるのは素晴らしい!と思うと同時に、やはり東京の中での細分化された地名での歌が非常に多いことに気づく。どちらかというと西はポップス、東は演歌やムード歌謡になるのは仕方ないことなんだろうかねえ。東側で演歌じゃないのは「あ、あ、あ、あきはばらー次は、御徒町、御徒町でございまーす」のSuper Bell"z "Mortor Man"くらいしか思い浮かばないのだけど、あれってはやっぱり東京ご当地ソングなんでしょうか。
ここには載っていないが、椎名林檎の「歌舞伎町の女王」という名曲がある。これは都市論的に見ると(たぶん)すごくポイントの多い歌で、 ・歌舞伎町の女王だった女の娘が ・歌舞伎町をふるさとに育ったが ・15のときに母が男と消え ・その後九十九里浜の祖母の家に預けられて育ち ・大人になった自分も歌舞伎町でのし上がる というストーリーである。ある意味ステレオタイプで、ある意味ポイントをついている歌舞伎町の人の生き様だ.歌舞伎町は歓楽街としてすでに歴史を経ており、現在活躍する人々はみんな2世世代である。必ずしもそういう所で働いていた人々が親子二代とか、親の仕事を受け継ぐとかいうことは無いと思うけど、歓楽街で働いていた人の高齢化問題は重大で(多くは平均寿命が非常に低いらしいが)、身寄りが無かったり、家族と離れ離れになってしまった人が多い。そして、彼らの子供問題。親が蒸発したり他の男(女)と逃げたりするパターンが多い一方、教育に熱心な人たちが多いのも特徴だ。「歌舞伎町」というごく限定された地域のイメージは、ここまでふくらむ。そして、こうして出来た歌のイメージは土地の価格にまで反映してしまう。そして、歌のイメージをたどって人はその場所を訪れる。観光の目玉にまずご当地ソングがくるというのもうなずける。
もっとも、「矢切の渡し」で「連れて〜逃げて〜よ」と逃げた先は、今では松戸のただの住宅街。それじゃちっとも逃げてねえって。と思いながらも矢切の渡しは健在。
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